肩・首のこりはスコアに影響する?
可動域チェック法
「肩こりや首こりがあるとスコアに影響するのか」は、現場でよく聞かれる疑問です。
しかし、問題となるのはこりそのものではなく、身体の回旋可動域の低下です。
特に頸椎や胸椎の動きが制限されると、スイング効率に影響を及ぼす可能性があります。
今回は、ゴルフスイングに関わる首・肩まわりの可動域と、セルフチェック方法について解説していきます。
〇ゴルフスイングと回旋運動
ゴルフスイングは腕だけでなく、骨盤・胸郭(胸椎)・頸椎が連動する回旋運動です。
研究では、胸郭はスイング中に主に回旋運動を担うことが示されています。
さらに、プロゴルファーはアマチュアと比べて胸郭や骨盤の回旋速度が高いことが報告されています。
つまり、回旋能力が高いほど効率よく力を伝えられ、クラブヘッドスピード向上につながると考えられます。(Ann Rehabil Med et al.2018)
〇頸椎の役割
頸椎は、視線の安定や頭部の位置制御に関与するだけでなく、肩関節の動きにも影響します。
頸部機能を改善することで肩の可動域が向上するという報告もあり、首が硬いと肩も動きにくくなるという関係が示唆されています。(Musculoskelet Sci Pract et al.2023)
〇可動域制限がスコアに与える影響
頸椎・胸椎の回旋が制限されると、以下のような影響が出る可能性があります。
- バックスイングが浅くなる
- 捻転差が減少する
- クラブヘッドスピードが低下する
結果として、飛距離低下や再現性の低下につながり、スコアに影響する可能性があります。
〇セルフチェック方法
簡単なチェックとして、以下の方法が有効です。
① 頸椎回旋
左右を向き、顎が肩のラインまで回るか確認します。
頸椎回旋は約70〜90°が正常で、顎が肩まで向けるかが簡易的な指標となります。
② 胸椎回旋
椅子に座り骨盤を固定し、体幹が左右45度以上回るか確認します。
胸椎回旋は骨盤を固定して評価し、40〜45°程度が目安とされます。
これらの回旋可動域はスポーツ動作に重要であり、制限があると動作効率の低下につながる可能性があります。
〇自宅でできる簡単エクササイズ
今回は、自宅でできる首・肩まわりの可動域改善エクササイズを3つお伝えしていきます。
① 頚椎回旋ストレッチ
目的:首の回旋可動域を高める
やり方:背筋を伸ばして座り、ゆっくり左右を向きます。反動を使わず、痛みのない範囲で行いましょう。
頻度:各20秒 × 2
② タオルを使った肩関節運動
目的:肩関節の可動域を高める
やり方:タオルを背中に回し、上下の手で持ちます。上の手で軽く引き上げ、肩をゆっくり伸ばします。
頻度:20〜30秒保持を各3セット
③ セパレーションドリル
目的:骨盤と胸郭を分けて動かす力を高める
やり方:骨盤を正面に向けたまま、胸だけを左右に回します。腰が一緒に動かないよう意識するのがポイントです。
頻度:左右10回ずつ
〇まとめ
肩こり・首こりがあるだけでスコアが悪くなるわけではありません。
しかし、頸椎や胸椎の回旋可動域が低下している場合は、パフォーマンスに影響があります。
ゴルフにおいて重要なのは「柔らかいかどうか」ではなく、しっかり回れる身体かどうかです。
スコアが伸び悩んでいる場合は、スイング技術だけでなく身体の回旋機能にも目を向けることが、改善への第一歩となります。
執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 石塚 智規
監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良 泰
池尻大橋せらクリニック